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空気も読まずになにか



野崎まど『2』感想 ※ネタバレ有り

「殺すか」
 野崎まど信者は言った。恐ろしく平坦な口調で。あまりにも恐ろしいことを口にする。
「まだ読んでない」
「この作者はやばい」
 シリーズ未読者の声を振り切り、まど信者は顔をまどに向ける。
「こいつは狂っている。間違いなく狂っている。ただ狂っているだけじゃない。見事に狂っているよ。この作者は狂気の粋、狂気の結実、狂気の結晶だ。未読者よ、正直お前の手に余るぞ。この作者は殺しておくのがベストだ。迷うな。興趣に惹かれすぎるのはラノベ読みの悪い癖だ」



 と、思いました。正直。


 鋭い人はタイトルの『2』とあらすじでもうピンと来た人もいるかも知れません。

 そうです。デビュー作『[映]アムリタ』で我々を一瞬でその不思議ちゃんっぷりと知謀で虜にし、前作『パーフェクトフレンド』のラストで我々に「できるんだよ!」という悲鳴を挙げさせた、あの最原最早の再登場です。


 ……最後だけだけどな!

 ここの伏線に関しても、今慌てて読みなおしてみたら、『死なない生徒殺人事件』の伊藤先生が28歳と明言されてて、今作では「三十代くらいの」と書かれているんですね。
 と考えると、「死なない生徒に心当たりは?」と聞いてきた理由も、電話口の声とかそういうのでピンと来てたのかもしれません。演技中なので確かなことはわかりませんが。


 

 全体的な感想については、もう冒頭の改変で書いたとおりです。
 とにかくやっぱり無駄がない。すべてが最後のシーンに収束していく様は、毎度のことながら見事としか言いようがありません。

 ただ惜しむらくは、やっぱり書いたとおり、過去作未読の方はちょっと待って、現在出てる本を全部読んでから『2』を読んでほしいです。じゃないと、もったいないにもほどがある。



『3』マダー?
by Ask_KY | 2012-08-29 22:36 | 感想
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ラノベの感想とかメインに。その他もろもろ

by Ask_KY
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